どこまでやっても十分でない状況にいつもジレンマを感じている。
東日本大震災のときも数百人の医療者を現地に送り続けたが、やはりその非力に打ちのめされる日々であった。
人類が経験したことのない状況に行政の対応が不十分であることはある意味、仕方ないことも踏まえて民間の組織や個人が自ずからこの状況の緩和や解決に積極的に乗り出す必要性を痛感している。
特に日本は市井の人々の自律性や秩序の維持は特筆すべきものがあり、今回も医療者たちはその恩恵を受けていて、医療崩壊に至らず、医療者の犠牲も最小限であり、同じ医療者としてある意味とても幸せだと感じているし、皆様にはとても感謝している。
今後のコロナ支援の方針は一言でいえば、「できることは何でもやる!」ということになる。
医療専門の組織として全国の医療者たちとのネットワークを活かして全国から情報を集め、できうる限り適切な動きをしていきたい。
そしてジャパンハートから派遣される医師や看護師たちは固定の病院に帰属しないために、必要に応じて求められればそこへ赴き最善のサポートも提供できる。
特に高齢者や基礎疾患のある人々こそが致死率が高く、都市部の主要病院のみならず今後は地域医療現場の小規模病院や介護施設、訪問看護のサポートにも力を入れていきたい。
私達が日本国内で実施するこれらの新型コロナウイルス感染症対策のノウハウは、海外活動地の支援においても活かすことが出来るだろう。ジャパンハートのミッションは、「医療の届かないところに医療を届ける」。各国の医療体制を支えているのは、不安を堪えて現場で闘い続ける、一人ひとりの医療従事者だ。人々が安全な医療を受け続けられるよう、皆様から頂いたご支援は、日本と東南アジアの国々で新型コロナウイルス感染症に立ち向かう「最前線」の現場へ、私達の手を通じて届けます。